診察室での血圧が正常で、診察室以外の血圧が高値を示す状態を「仮面高血圧」（masked hypertension）といい、普段の高い血圧がマスク（隠されて）されてしまっている状態であるので“隠れ高血圧”とか“逆白衣高血圧”とも呼ばれ、危険な存在として注目されているのです。

　「とくに問題なのは病院で高血圧の治療を受けているのに、仮面高血圧の患者が少なくないことです。医師から処方された降圧薬をきちんと服用し、一見、治療がうまくいっているように見えるため、高血圧に気づかないまま動脈硬化などを進行させ、脳卒中や心筋梗塞などを起こしやすい状態をつくりだしてしまいます」と仮面高血圧の第一人者、東京都老人医療センターの桑島巌副院長は指摘します。

　この仮面高血圧の人は、心筋梗塞や脳卒中などの病気がおこる確率が診察室高血圧の人とさほど変わらりません。

　もし、病院で血圧を計って正常値だったとしても、自宅でも血圧を測定して、仮面高血圧かどうかのチェックをおススメします。