1998年に欧米で、99年には日本でも初めての勃起不全治療薬バイアグラが発売されるようになり、勃起不全・勃起障害に対する関心が高まってきました。勃起不全で悩む人の多くは「性欲があるのに勃起しない」ことに苛立ち、自信をなくします。それを助けてくれるのが勃起不全治療薬です。勃起不全は決して治療不可能な病気ではなく、たいていの場合は薬で改善できるのです。
ですから、いたずらに不安を抱える必要はありません。敵と戦うには、敵の素性を知ることが大切です。そもそも、勃起不全にはどんなタイプのものがあるのでしょう。勃起不全にはさまざまな種類や原因があります。その中でも代表的な3つの種類についてお話しましょう。
1つ目は「心因性(機能性)勃起不全」です。勃起不全のパターンの中で、当院で最も多いものです。立派に朝勃ちし、自慰では勃起するものの、いざ相手を前にするとダメになるのがこのタイプの典型的な特徴。初めは勃っていてもコンドーム装着で萎えるや性交中の“中折れ”といった症状がみられます。
モノ自体がダメなのではなく、精神的な理由による勃起不全です。例えば、仕事や家庭内のストレス、夫婦関係の気持ちのズレや子作りのためのプレッシャーなどが深く影響します。家庭内でダメになることが多いので、このタイプの勃起不全でセックスレスになっている夫婦も少なくないはずです。
初めての性交の失敗体験を引きずっていたり、長い間性交をしていなかったために失敗する例のように、これまでは問題なかったが、一度の失敗で急にうまくいかなくなったというのも、このタイプにあたります。
また、定年後、これまでの人生を支えてきた仕事という大きなやりがいを失ったり、性欲そのものが減退したりして起きることもあります。もともと、精神的な理由によるものですから、過度の緊張で最初から勃たないことも珍しくありません。